蟲師
1巻〜8巻 読み終わりました。
キワモノっぽくて食わず嫌いしてたのですが、とても面白かったです。
大きくくくると『妖怪奇譚』ってことになるんでしょうか。主人公の、ひょうひょうとした態度の奥にある、人に害をなすモノにさえ生きる権利を認めてなるべく助けようとする姿、そして全ての人への慈しみ、みたいのが感じられ、ほのぼのと温かな読後感が心地よかった。
同じジャンルで今市子さんの『百鬼夜行抄』も大好きですが、こちらに登場する怪異は異形の者+人間(多くは死者)によるもの。そして謎解き(ミステリー)の色合いが濃いのが特徴ですね。あと、そこはかとないユーモアのセンスが絶妙。美しい絵も好みです。
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終わった……いや、まだだけど
担当ページの原稿書きが、自分で立てた予定通り今日、無事、終了。担当外れてから身を入れてなかったので、過去2回の更新分は私としては納得できる出来ではなかった。でも今回は大丈夫そう。うん、きっと良いものになる。良かった〜。後はコラムの原稿だな。。。ネタ集めなきゃ。
メールニュースの原稿も半年ぶりに復帰して、何だか書くのが楽しい。前ほど必死にならなくても割とすんなり出来る感じなのは……私もちょっとは成長した?
……よっしゃ〜!!カモン、仕事!!……この意気で頑張ろう。
チームのみんなに改めて感謝。。。いつもわがまま言ってゴメンネ。ありがとう。
もうこわくない
何てことだろう……何てこと!!
私は異様に興奮してる。
信じられないことだけれど、私は、……私には、わかってしまった!!
いったどうやって、なぜそんなことが?
……わからない。わからないけれど、そのインスピレーションは突然やってきた。
私が興奮と嫌悪と混乱の渦の中、暗い木立に挟まれた夜の散歩道を家に向かって歩いている時に。
誓って言うけれど、私はまだ結末を読んでいない(厳密な意味では)。
いかにして、私が感じ取ったその「結末」へと物語が収束するのか、それはわからない。
けれど……いくつかの暗示(そう、私は巻末の解説は読んだ)と、本当に最後の一行だけを目にして、私はそれを悟ってしまった。
ちなみに、読み終わったのは365ページまで。
本当の所、最後まで読んでいないのだから、私の思った通りなのかどうかは、まだわからない……でも私は、そうであろうと思っている。また、そうであって欲しいと願っている。なぜなら、それこそが私が想像し得る、最高に幸福な結末だから。
私は今日、会社帰りにカフェに入ってこの本を読んだ。
目まぐるしく展開する物語世界、謎の上に積み重なる謎、圧倒的な“かれ”の存在と主人公の恐れと嫌悪(=読者である私の恐れと嫌悪)……。
私は耐えきれなくなり、読むのを止めて外へ出た。入ってから1時間半ほど経っており、もう外は暗かった。風が心地よく肌をなぶり、寒くもなく暑くもなかった。
私は歩き出した、家へ向かって。
興奮していて(しすぎていて?)、少し気分が悪かった。
だからゆっくりと歩きながら、思考が先ほどまで読んでいた物語の世界をさまように任せた。
支配者と被支配者がお互いを求め合うとして、果たしてそれを“愛”と呼べるのだろうか?
そして“永遠”はない。それはこの世の理だから。精神も、肉体も変わり果てて行く……残酷なまでに。だとしたら彼らを待っているのは悲劇でしかない。
生命とは何? 人が生み出したロボットという存在も、それが感情(=死を恐ろしいと感じる心)を持つのなら生命と言えるのか? そしてロボットがまたロボットを生み出す時、それは私たちの生命活動とどう違うのか?
神が人間を創ったように、人間はロボットを創った。けれど“かれら”こそがまるで神のよう、この世のものとも思えぬ美と力を持つ全知全能の子供。
自らの意志を持つに至ったかれらが、人間の支配を嫌うのはむしろ当然ではないか? 果たして支配されるべきなのはどちらなのだろう。
ああ、だけど、魂は? 「物=ロボット」に宿る魂の存在、それを作者は前作でほのめかしていたではないか? キリスト教徒にとって、罪悪とも言える思想だと、解説を読む限りでは思えたが……作者の文化圏内ではそれは衝撃的な禁忌の思想なのだと。
支配と被支配、愛、永遠、生命、魂……。
それらのキーワードがごった煮の鍋のように私の頭の中でグツグツ言うにまかせていた。
そしたら、それが起こったのだ。
カチッと何かが、あるべき所に収まったような、そんな感覚。
「ジェーンとシルヴァーにとっても、希望」の結末なのだ、と書かれていた解説が、私に最後の一押しをくれた。
……そう、きっとそうなのだ……なぜかはわからないけれど、私にはそれが信じられる。彼らが幸福になると。それこそが私が求めていたもの。だって前作を愛し過ぎていたから。だから続編を読むのがこわかった、彼らの悲劇を確認してしまうことが、こわかった。でも今はもうこわくない。
だから、さあ、今は心穏やかに、次のページをめくろうと思う。
こわくて読めない
タニス・リーが今でも精力的に創作活動をしていることは知っていた。
たくさん本が出続けているから。でも最近の作品にはちっとも目を通していなかった。
この人の作品だけじゃなく全体的にめっきり読書量が減っているせいもあるけれど、あまりにも彼女の才能が多岐に渡るため、中には好みではないと感じる作品もあった、という理由もある。
それでも好きな作家と聞かれればこの人の名を一番にあげるのは……熱狂的、と言ってしまっていいほど、もはや崇拝に近い気持ちで愛している作品があるから。
だから好きなだけ本を買うオカネや本を置けるスペースがあれば……絶対、彼女の本は全部欲しい!と思う。今はその余裕がないので、たまにAmazonに勧められても新聞で彼女の本の広告を見たりしても、敢えてクールに構えていた。心密かに「いつか、ぜ〜んぶ!!手に入れてやるぅぅ〜!!」……と思いながら。。。
しかし、しかし、しかし!!! クールに構えていられない事態が発生してしまった。
先日、必要に迫られ「日経トレンディ」を立ち読みしに行き、ちょっとだけ、見るだけ、と思いつつ立ち寄ったハヤカワ文庫の棚に。。。何と!!
その、私が崇拝に近い気持ちで熱狂的に愛している彼女の作品、『銀色の恋人』の続編がっっ!!!
……ま、まさか……!!
この物語は私の中であまりにも美しく完結しているので、続編なんて……か、かかかっ考えられないっ!!!
でも買わずにいられませんでした、モチロン。。。
カバー裏の解説によると、何と『銀色の恋人』から24年ぶりの続編だそうです。
ああ、読むのが怖い。。。
買ったのは12日。そして続編とともに再販されていた『銀色の恋人』を13日に買った。。。だって私の持っていた本はもう紙が茶色くなっていたから(^^;)予備にしようと思って。。。
恐る恐る、ちょびっとずつ読み始め……そして今日読んだ部分で前作品の主人公が登場し、私が一番恐れていた事態は回避されていると知った。ちょっとホッとしています。
あぁ。。。でも、、、それでもやっぱり、読み進むのが怖いのであった。。。
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精神の死と再生
私が24の時、父が死んだ。
当時の私には莫大とも思える借金を残して。
その時、私の心も一緒に死んでしまった。
約2年くらいの間、何も感じなかった。
光も、涙も、友人の暖かい言葉も励ましも、愉しみも……何も私の中に染み込んでこなかった。
まるで心が石になってしまったようだった。
でも時の流れが私を癒してくれた。
恋した人と初めて結ばれたとき、そしてその人との結婚式で、私はしみじみ
“生きてて良かった……” と思った。
その後、離婚を経て今、私は2度目の再生を果たしつつある。
近いうちにきっとまた、生きてて良かったと思える日が来るだろう。
人は何度でも生まれ変われる、と思う。
同じ一つの肉体の中で、いくつもの違う生を生きられるのだ。
だから、生きてほしい、と思う。全ての人に。
いずれ必ず、嫌でも死は訪れるのだから。
そして気づいてほしい、幸せは自分の心の中に在ると。。。